2004年02月21日

ドライヤーとブラシのタイミング

カミングアウト・クラブのときに、ドライヤーとブラシのタイミングを教えてもらいました。僕は普通、左手でドライヤーを持ち、右手でブラシを使います。左右の手は、ほとんど同じようなタイミングで動かすことしかできません。ドライヤーをあまり動かさずに当てたままブラシを手早く動かすか、ドライヤーを手首で動かしながらブラシも動かすか。ところが、そういうタイミングでは「髪は綺麗にセットできない」というのです。これをその後、自分でも試してみました。

スヴェンソンの山崎さんと星野さんが教えてくれたのは、「ドライヤーが先、ブラシが後」というタイミングでした。髪を自然にセットさせ、少しカールしたり癖を付けたい場合は、「髪をブラシに入れた状態でドライヤーを当て、ブラシを入れたまま、先にドライヤーを外す。同時にブラシも外してしまうと髪に綺麗な癖がつきません」、というのは、「温風の状態では髪はセットされないからです。ドライヤーを外して髪の温度を下げることで髪が固定されます」。なるほど。よくわかったけれど、最初はなかなか慣れませんでした。ついついドライヤーと一緒にブラシも抜いてしまう癖が直らない。僕の場合はそれでも何となくセットができてしまうので、しばらくは下手なままで過ごしていました。でも、それではいけない、実際、そういうセットだからつい髪がペタッとしてしまう。一念発起してブラシを抜くタイミングを努力してみました。と、感じさえつかめればそれほど難しくはありません。かえって、左右のリズムが違う、このタイミングの方がプロっぽいし、身体も気持ちいい感じ。まだセットがうまくできているわけではありませんが、明らかにスタイリングが楽しくなりました。

Posted by 小林信也 at 22:58 | Comments (0)

2004年02月11日

インスペクション・ダイアリーを始めます

すでに一度、BBSに書きましたが、改めて『インスペクション・ダイアリー』について、お知らせします。
新設したカツラー・レポートの中に『インスペクション・ダイアリー』というコラム・ページが準備されているのに気付いて頂けたでしょうか。「インスペクション」には、視察、監察、検閲といった意味があります。僕(または僕が依頼した、スヴェンソンには素性がばれていない人)が、可能なかぎり全国のスタジオを訪れ、その対応やサービスをチェックし皆さんにレポートする試みです。これをホームページで行うことを、スヴェンソン本社からも承諾して頂きました。

これまで、時々ですが「小林さんは絶賛するけど自分が行ってるスヴェンソンのスタジオでこんなことがあった」とか「対応に満足できなかった」という書き込みがありました。スヴェンソンを心から愛用し、本も書き、皆さんにお薦めしている僕としては、曖昧に済ませてはおけない。事実なら改善して欲しいし、改善がなければ推薦し続けることを再考しなければいけない。もしスヴェンソンが、僕がかつて不自由な思いをさせられた大手メーカーと同様の対応をしていたらショックです。そこで、思案を重ねた末、上記のような取り組みを始めることにしたのです。いわば抜き打ち検査のようなもの。顧客や相談者の立場でスタジオを訪ね、ありのままをレポートします。そのことで、僕は自分が愛用し推薦しているスヴェンソンの製品やサービスが、僕の知っているスタジオと同じかそれ以上のレベルで行われていることを確認したい。もし不満な点があれば、改善してもらうようお願いする。日本にも顧客が安心してつきあえるカツラ・メーカーがひとつでも多く存在しないとカツラーは困ります。
カミングアウト・クラブのメンバーで有志の方には、そのレポーター(インスペクター)役もいずれお願いできたらいいなあと、期待しています。出張の折りなどに各地のスタジオを訪ねてもらうとかすれば、レポートできるスタジオの数も増えるでしょう。

Posted by 小林信也 at 23:05 | Comments (0)

スタイリング向上委員会(4)

「髪を乾かすときの手順と言うのはあるんでしょうか?」という小林さんの質問、山崎さんの答えは、まず髪を7分渇きになるぐらいまで、バスタオルなどで水分を取ってしまうのが良いそうです。あまり乾かしすぎると、髪をいためてしまうので、気をつけてくださいとのこと。星野さんのお話では、スヴェンソン製のカツラは人毛でできているので、髪の部分は乾きやすいが、ネットの部分にやや水分が残ってしまうそうです。そのため、まずネットを乾かす意識を持ったほうが良いとのことです。7分渇きになったあとにローションやソフトムースなどをつけてセットをすると、髪に負担が少なくセットがやりやすいそうです。

Posted by 谷川れい at 08:20 | Comments (0)

2004年02月10日

スタイリング向上委員会レポート(3)

今回はムースのお話、星野さんのお話では、ムースを手のひらにとってから髪の面に向かってつけてしまう方が多いそうです。それでは、髪の表面と、内側で、固まり具合が違うので、少し不自然な形になるとのこと。ムースをつけるときは、指先につけて、髪に、ランダムに付けていくと、自然の仕上がりになるそうです。星野さんから一つテクニックを教えていただきました。カツラの人にとって気になるのは、自分の髪との境目、ハードムースを指先につけて、境目の部分を糊付するように、馴染ませていくと、自然に見えて、境目がしっかりとなるとのことです。一度、試してみてください。

Posted by 谷川れい at 12:32 | Comments (0)

2004年02月07日

スタイリング向上委員会レポート(2)

男性の方には、少し慣れないロールブラシ、「まずはやって慣れるのが大事」という山崎さんのお話。ロールブラシの使いかたのコツは、髪の面に向かってブラシを通すのではなく、手首を返して回すようにくるっと毛先に流すとうまくいくそうです。その際に、手を添えてブラシを追いかけるように指を通していくと、綺麗な仕上がりになると言うこと。スタジオで最後の仕上がりのときに「少しやらせてもらえませんか?」とお願いしても大丈夫ということなので、まず最初は技術者の人と相談して始めるのもいいかもしれません。

Posted by 谷川れい at 00:45 | Comments (0)

2004年02月05日

スタイリング向上委員会レポート(1)

先日のカミングアウトミーティングにスタッフとして参加させて頂きました、スポーツライターの谷川です。今日から数回に分けて、スタイリング向上委員会のレポートを書いてきます。よろしくおねがいします。

 *

カツラの人は髪を寝かせがち、ゲストで参加されたスヴェンソンの技術担当・山崎さんのお話では、髪はふわっと立たせる感じがあるほうが自然だそうです。小林さんも寝かせてしまうんだとか。同じ希望をもっている方が参加者にも居ました。もうひとりのゲスト、スヴェンソンの技術責任者・星野さんの話では、髪の毛のセットで大事なのは髪の根元の方向性だそうです。ふわっとさせたい場合は、まず髪の根元にロールブラシで方向性を決めてドライヤーをあてます。そこから毛先にブラッシングをすると上手くいくとのことです。コツは、ドライヤーで暖めた後に、ブラシを入れた状態でドライヤーを放して冷ます。暖めてから冷ますと方向性がつきやすいそうです。

Posted by 谷川れい at 15:42 | Comments (0)

2004年02月04日

公言しよう会!報告その2

カミングアウト・ミーティングという表現は長いので、今回のタイトルは『公言しよう会』と日本語にしてみました。これが正式名称ではありません(笑い)。試しに使ってみるだけです、予めご了承ください。
さて報告の続きです。何も考えず皆さんの前に立って、参加者の硬い視線が注がれている。取材などで初対面の人に会う経験は重ねていますが、この時の皆さんの眼差しは、それまでのどんな場面でも注がれたことのない、独特の鈍い輝きを持っていました。決して、温かくはありません。かといって、冷たくもない。怒っているのかなあ、何か文句を言いたいのかなあ、とも見えるけれど、たぶんそうではない。緊迫した雰囲気、だけどみんなが何かを求めている、そんな微妙な視線の中、台本を用意していない僕の口から次に出たのは、『カツラーの秘密』を書いた思いについてでした。

「物書きにも色々あって、ノンフィクションやルポを書いている人の多くは、何かを告発したり糾弾することに生きがいを感じているようです。でも僕はそういうことにあまり熱心な書き手ではないのです。自分が面白いと思ったこと、感動したこと、前向きな話をひとりでも多くの人に伝えたい、そっちが優先している人間です。だから『カツラーの秘密』を書いたのも、AD社を告発しようという思いより、『いま使っているスヴェンソンのカツラは本当に快適で自然だよ』という喜びを伝えたくて、そっちの思いが強くて書いたのです」
もちろん、AD社のカツラには散々不自由な思いをさせられました。薄毛で悩む人間の弱みにつけこんだ売り方はやはり放置してはおけません。だけど、12年間使っていた僕の中には「AD社のカツラは不自由だったけど、つけている間、ハゲではなかった」……。ハゲじゃなかったことに感謝の気持ちもあるのです。
出席者にひとり、AD社のカツラーがひとりいらっしゃいました。その人はちょうど僕の正面に座っていたこともあって、話している間、ときどき眼が合います。彼は、参加者の中でもひときわ厳しい表情。さりげなく頭を見ると、僕の知っているAD社とはまったく違う。自分の前髪をオールバックにして、その後ろに製品をつけている。これだと生え際をごまかす必要がまったくありません。これみよがしに生え際を見せているから、まずカツラだと疑う人の割合はグッと減るでしょう。
二冊目の本、『カツラー探偵が行く』の取材で東京義髪整形に伺ったとき、技術者の人自身がそういう髪型でした。あれと同じ。僕だってAD社に相談した当時は前髪もふさふさあったのに、どうしてこういうスタイルを勧めてもらえなかったのだろう。改めてそれを疑問に感じたり、思いつかなかった自分の発想の貧しさにため息をつきました。金具の不快感と不自由さはともかく、見た目のカツラっぽさはこれでかなり解消できます。こうした交流があれば、僕だってAD社に髪型の変更をお願いしていたでしょう。

Posted by 小林信也 at 00:58 | Comments (0)

2004年02月03日

初めてのカミングアウト・ミーティング(その1)

1月31日(土)、東京・吉祥寺で記念すべき第1回のカミングアウト・ミーティングを行いました。参加は9名。ゲストのふたりを合わせ11名の会でした。
最初は硬い雰囲気。とにかく初めて顔を合わせる者同士ですし、たぶん、自分がカツラーだとこれほど多くの人の前で公表するのも大半が初めて。ましてやカツラー同士で会話した経験を持っている人はほとんどいないはず。初めてづくしの会でしたから微妙な雰囲気も当然です。出席者はみんな、他の参加者の頭をそれとなく観察している、自分の頭がどんな風に見られているかも気にしている。正面のテーブルをはさんでコの字型に並べたテーブル。この硬い空気をどうしたものかと思いながらも、僕がきっかけを作らないわけにはいかないので、最初に挨拶をさせてもらいました。

講演やラジオ出演などの場合も、きっちりとした台本は作らないタイプです。とはいえ、大まかな話の流れや言うべきことは予めメモしたりまとめておくのが普通です。今回に限っては、それもしませんでした。一体どんな人たちが来るのか、事前のアンケートでは充分に把握できませんでしたし、事前に何か想定するのは違うなあと思ったからです。何にも考えず、皆さんの前に出て、そのとき浮かんできたことをそのまま話しました。たしか、「スヴェンソンのカツラにした時点でかなり、隠そう、という気持ちが小さくなっていた。もう公言してもいいや、という気持ちになっていたので自分ではストレスはなくなっていたつもりだった。でも、本を書いて、本当にカツラを公表する形になったあと、酔っぱらって電車を乗り越すようにもなった。それで、いかに公表すると楽になるのか、公表する前はやっぱり無意識にカツラであることを隠そうとしていた、あるいは気を遣っていたことを実感した。だから、皆さんにもカツラーであることを公表して楽になってもらいたい。それがこの会を始めたそもそもの趣旨です」と、まずお話しました。

Posted by 小林信也 at 01:11 | Comments (0)