カツラーレポート [続・カツラーの秘密]
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心境の変化(2)
2004年07月29日
[ 続・カツラーの秘密]

「チャック、開いてますよ」と指摘されたのがショックで、その日からチャックのないズボンしか履かない、と思い詰める人はいるでしょうか。いたら「かなり極端な性格」と思われるでしょう。カツラだって、本当は同じなんじゃないか? でも実際には、「後ろ、撥ねてますよ」と指摘されて、「やっぱりカツラだとわかるんだ。まずい・・・」と落ち込む人がたくさんいるでしょう。カツラーであることが悪いと指摘されたのでなく、カツラの後ろが撥ねてますよと指摘されただけでも受け取る方の解釈はカツラそのものの存在を問うところまで直結してしまう。ズボンのチャックが開いていたのは、チャックのせいでなく、うっかり開けていた自分のせいです。ただ閉めりゃ、済むこと。髪も撥ねてたら直せばいいこと。それだけでしょ? これって無理な主張でしょうか。論理が正しいかどうか別にして、僕自身は、もし髪の乱れを指摘されたら、平然とただ髪が乱れているから直す、という受け止め方をすればいいんだと、ひとつ心が晴れてスッキリした、という報告です。

Posted by 小林信也 at 09:10 | Comments (0)
心境の変化(1)
2004年07月28日
[ 続・カツラーの秘密]

フジテレビのドキュメンタリー番組『NONFIX』の取材を通じて、ひとつの心境の変化があった、と掲示板に書きました。それから少し間が経ってしまいましたが、率直な思いを書きたいと思います。と言っても、それほど大したことではありません。
ひとつは、後ろの髪が撥ねる、という現象についてカツラーが持っている恐怖感、強迫観念のようなものに対してです。カツラーの多くは(僕も含めて)、『後頭部の髪が撥ねている、イコール、カツラだとばれる』という強迫的な不安を感じていると思います。カツラー以外の人にもそれは浸透していて、「カツラの人って後ろが撥ねるからわかるよ」みたいな、鬼の首を取ったみたいなカツラ見分け術を自慢げに語る人が少なくありません(それを世に広めた一翼は僕の本が担っているのですが)。
で、今回の番組を見て、後ろが恐ろしく撥ねている自分を画面の中に見て、思ったのです(さすがに、あのテレビほど撥ねることは、普段ならまずありません。さんざん髪をいじりながらインタビューに応じた成果です)。言い訳するのは格好悪いなと。そして、どうして後ろの髪が撥ねるくらいでハラハラどぎまぎしているんだ、そんなカツラーが情けない気がしたのです。
「そうだ、ズボンのチャックと同じだ」
と、その瞬間、僕の頭に閃いたわけです。誰かと話していて、「小林さん、チャック、開いてますよ」と言われたら恥ずかしい。相手や場所によっては火が出るほど恥ずかしい。でも、チャックを閉めて、それだけのことです。カツラだって同じじゃないか。
「小林さん、後ろ、撥ねてますよ」と言われたら、「あ、ごめん、ありがとう」と言って髪をなでつけるだけ。それ以上のことはない。だからこそ、カツラーだって公言することが大切なんだ。
「今日、カツラだって、何となくわかりますよ」と言われて動揺するこたあない、「ほんと? じゃあ、直してくる」と洗面所に立てばいい。というムーブメントを広げて行きたいと思ったのです。

Posted by 小林信也 at 01:47 | Comments (0)
額を編まない悲喜こもごも(5)
2004年07月15日
[ 続・カツラーの秘密]

テープ・ベースを独自の素材に替えてからは、額の吹き出物はほとんど治まりました。ところが、課題がひとつ浮上。僕が用意した生地は即乾性の高い素材。汗をかいても着ているうちにすぐ乾く、サッカー日本代表やプロ野球選手達が最近着ているウェアと同じものなのですが、それでも髪を洗えば濡れる、洗ってすぐテープを貼ろうとするとやはりまだ水気があり、テープがつきにくい場合があるのです。少し時間に余裕があれば問題ないのですが、これが解消できないときっと商品として多くの愛用者にお勧めすることができないでしょう。僕のようにナイロンに弱い人間のために、ナイロンでなく、しかも水をはじく新素材のテープベースを開発してもらえたらうれしいなと思っています。
僕はといえば、テレビの取材で製品を外して見せる必要があったため、白いTシャツの切れ端が縫いつけてあるんじゃ見た目が変だろうと思い、ある時期、通常のベースに戻してもらいました。と、やはり、春先から吹き出物が発生。再び新素材に戻して使用中です。個人的には、水を含んでも比較的簡単に乾かし、テープを貼るコツを身につけたので、朝出かける前にシャンプーすることもできるようになりました。たとえば、前日貼ったテープを剥がさずそのまま洗髪すれば、その部分は濡れずに済みます。

Posted by 小林信也 at 09:23 | Comments (0)
額を編まない悲喜こもごも(4)
2004年07月05日
[ 続・カツラーの秘密]

ナイロン製のテープベースに代わるものはないか。繊維ではダメなのか、技術者に訊ねると、テープがきちんと貼り付くかどうか、粘着力が問題だという。衣服の素材は案外、テープが効かないと。ふと、ひらめいた。いま僕が愛用している野球用のTシャツ、乾きやすく肌にやさしい新素材。自宅に戻ってテープを貼ってみると、なかなかピッタリくっつく。そこで次の編み込みにはこのTシャツを持参した。そして、裾の方を切ってもらって、テープベースの代わりにくっつけた。なかなか貼り心地は悪くない。それから数日、案の定、吹き出物が治まり始めた。どうやら、僕にはこのナイロン素材が合わないらしい。

Posted by 小林信也 at 10:44 | Comments (0)
額を編まない悲喜こもごも(3)
2004年06月26日
[ 続・カツラーの秘密]

思い当たったもうひとつの原因は、両面テープを貼るために製品に縫いつけた『テープベース』と呼ばれるナイロン製の布だ。楕円形で、わずかコインふたつ分くらいの大きさ。本当は額の中央に一枚でいいのだけれど、まだクリーナーをうまく使えず、安定しないのが不安だったため、額の中央とその両脇に計3枚縫いつけたもらったことがある。湿疹が出始めたのは、その後からだった。
頭に、かつてアデランスを使っていたころ、いつも頭皮に吹き出物ができていて、家内に言わせれば痛々しい状況だったのを思い出した。僕は当時、かさぶたを爪ではがすのを悪しき日課にしていた。はがしてもはがしても、なくなることがない。それほど頭全体に吹き出物ができていた。それはたぶん、密閉性の高いカツラのベースのせいだろうと思う。素材は微妙に違うが、同じように化学的な製品。たぶん僕の頭皮は密閉度が高く汗がたまりやすい素材に弱いのではないか、それが最も有力な原因だと僕は絞り込んだ。

Posted by 小林信也 at 01:26 | Comments (0)
額を編まない悲喜こもごも(2)
2004年06月25日
[ 続・カツラーの秘密]

テープを使い始めて少し経ったころ、困った問題が起きました。これは、僕がスヴェンソンを使って6年目に初めて直面した、ちょっとしたトラブルでした。額まで編み込みをしていたときにはまったく発生しなかった湿疹が、両面テープにしたら少し出始めたのです。主に額のところ。原因はまずふたつ考えられました。「両面テープが皮膚に合わない」「クリーナーが皮膚に合わない」。僕としては、元々不安を感じた「クリーナー」が一番有力な湿疹の原因だと察しをつけました。そこで、粘着力が落ちるのを覚悟の上で、クリーナーを使わず数日過ごしました。しかし、湿疹は治まりません。となると、両面テープだろうか。これは貼らないわけにいかない。数日経って、ふと、もうひとつ、「これが原因ではないか」と思える原因に思い当たりました。(続く)

Posted by 小林信也 at 00:18 | Comments (0)
額を編まない悲喜こもごも(1)
2004年06月21日
[ 続・カツラーの秘密]

額を編まないメリットも確かにあります。髪を洗うとき、手を入れて地肌を直接洗える、製品の上からのブラッシングに満足できなかった人にはこれが最大の利点でしょう。僕の場合は直接洗えないストレスをそれほど感じていませんでしたから、実はそれほど感動はしていません。「あ、指で洗えるね」って程度かなあ。前を上げて、シャワーをパーッと地肌に向かって当てるとき、何となく開放された感じはするから、それはそれでやっぱり快感かもしれません。
ひとつ注意すべきは、乱暴に扱うこと。僕は当初グイグイ手を入れて頭頂部を洗って、編み込んであるところを引っ張る形になり、左右のこめかみ部分、編み込んであるところが少し緩んでしまったことがあります。編み込みの遊び(緩んでいる具合)に応じて手を入れないといけない、それを忘れていました。

Posted by 小林信也 at 10:26 | Comments (0)
生き返った
2004年06月11日
[ 続・カツラーの秘密]

スポーツライター塾の若者たちに誘われて、真剣にスポーツで汗を流しました。スヴェンソンに替えてから、子どもとプールに行ったり、相撲を取ったり、空手を始めたり。色々スポーツに挑戦しました。が、ここまで必死に走り、汗を流したのは久しぶり。不自由なカツラにしてからは初めてでした。
公園でまずフットサル。3分で死にそうでしたが、気合いを入れて1時間やりました。転んだり、跳ねたり、でもカツラは大丈夫。体育館に移ってバレーボールを1時間半。へなちょこアタックですが、以前の金具式アデランスなら、上を向いてボールを打つなんて考えられない。ましてや回転レシーブなんて、頭を押さえながらじゃなきゃ絶対無理。頭を押さえながらの回転レシーブなんて絶対無理。つまり、バレーボールをやること自体、考えられません。突然ボールが頭をかすめたらそれこそカツラが吹っ飛ぶ恐怖あり。
そのあとバドミントンまでやりました。細かなジャンプの繰り返し。ダッシュして低いシャトルを懸命に拾ったり、勢い余って転んだり。編み込み式だからできる、髪の不自然な乱れを心配せずにできる。
本当に久しぶりに身体をここまで動かして、ようやくスポーツライターの原点に戻れた気がします。

Posted by 小林信也 at 00:38 | Comments (0)
外れないことの意味
2004年06月04日
[ 続・カツラーの秘密]

明日テレビの取材を受ける関係で、アデランスを使っていたころの写真を探したり、もうずっと使っていないカツラを引っ張り出したりしました。それをディレクターから求められたからです。カツラって、頭に乗っているのと、単体で見るのとでは情け無さが違います。やっぱり、カツラだけポンと机の上にあったりするとやっぱり滑稽です。そのスタイルが自然かどうか、だけでなく、やはり外れて単体になってしまうカツラと、いつもは頭の上に乗っていて、パカッとは取れないカツラの違いというのは、理屈抜きに安心感、上品さみたいなものが違うと感じました。

Posted by 小林信也 at 00:45 | Comments (0)
大相撲を見に行きました。
2004年05月20日
[ 続・カツラーの秘密]

両国・国技館に大相撲を取材に行きました。三段目にひとり、かなり頭髪の心配なお相撲さんがいました。貴乃花親方よりひとつ年上のベテラン力士。やっとのことで髷を結んでいる。その大きさは板ガムより頼りない感じ。髷が結えないと引退、と聞いたことがあります。彼らにとっては切実です。その後、館内FMを聞いていたら、解説役の年寄の方々が、「かまし禿げ」の話をしていました。立ち合いのぶちかましを得意とする力士は、額の髪がちぎれ、薄くなり、「かまし禿げになる」ということでした。たしかに、そういう力士が幕の内にもいました。彼らのハゲは、名誉の傷、とはいえ、悩みはやはり深刻なようです。

Posted by 小林信也 at 23:56 | Comments (0)
女子バレーを取材するカツラーの内心
2004年05月16日
[ 続・カツラーの秘密]

女子バレー・アテネ五輪予選を取材に行った。コートサイドの記者席。ときどき、鋭いスパイクがワンバウンドで飛び込んでくる。うっかりメモを取っていたりすると、ハッと顔を上げた瞬間、額をボールが直撃、なんてことも充分にありえる。あの鋭さだから、当たればかなり衝撃があるだろう。でも野球の硬球と違って、まあそれほど大事には至らないかな、などと思うのだが、カツラーはやはり、(もし着脱式のカツラなら、直撃されたらめくれちゃうな、あれだと)と、想像してしまうのだ。きっと、見ている間じゅう、首に力が入って、肩が凝るだろう。

Posted by 小林信也 at 19:24 | Comments (0)
「隠す」から「お洒落」に飛躍する喜び
2004年05月13日
[ 続・カツラーの秘密]

ここ数日、色んな取材を経験して、「どうして僕はこんなにもバランス感覚ばっかり取る人間になってしまったのだろう」と痛感した。ずいぶん思い切った発言もしているつもりだけど、本当に極めた人に出会うと、僕はいかにもビクビクして、世間とうまく折り合いをつけようとするのに慣れてしまっていると思い知らされる。真実はひとつ。なのに、奥歯にモノのはさまったような玉虫色のオブラートに包んでしまう。カツラの話だってそうだ。何だか、僕はジャーナリストみたいなものだから、「公平でなければならない」みたいな脅迫感を拭いきれない。ジャーナリストに必要なのは、公平であること以上に、正直であること、理屈より取材で得た事実を伝えること。体験や体感はそれ以上に重い。これからはいっそう、はっきり発言します。
僕がこうしてプロ・カツラーとして活動をやらずにいられないのは、「快適なカツラがある」そのことをもっともっと伝えたいからだ。アデランスを使っていたときは、カツラは「ハゲを何とかごまかす、隠す」ためのものだった。ついでに「カツラを隠すこと」さえくっついてきた。スヴェンソンにしたら、ハゲは当然隠れている上に、髪があったときより「格好良くなっちゃう」喜びがついてきた。自分の髪では73スタイルしかできなかったのに、スヴェンソンにした途端、真ん中分けができちゃって、まるでシティボーイみたいになれたんだから、胸が弾むのは当然。同じカツラでこの違い、人にも勧めたくなるのは当然でしょう。

Posted by 小林信也 at 19:13 | Comments (0)
カツラが恥ずかしい理由1
2004年05月12日
[ 続・カツラーの秘密]

カツラは恥ずかしい、と多くの人が思っている理由は、「みっともないから」でしょう。パッと見て、いかにもカツラとわかる、みっともない、そういうカツラを使っている人が多かった。だから、「カツラは一目でわかるよ」「あれはやめてほしい」「みっともないのに、何でかぶるんだ」これらが転じて、「そこまでしてハゲを隠したいのか」「「男らしくない」「バカじゃないの」、カツラは格好悪い上に、使う人の人間性まで疑われるような、ネガティブなイメージが広がったのでしょう。
では、「みっともなくないカツラがあったら」どうでしょう?
自然で格好良くて、使う本人は快適、周囲は言われなければ気付かない、言われても「えーっ」と驚くような、そういうカツラだったら、「カツラは恥ずかしい」という公式は、前提から成り立たないことになります。僕が「カツラーです」と公言できたのは、ごくごく自然に、恥ずかしい、という元になっている「みっともない」という現実が解消され、「格好いい」カツラに出会えたからです。格好良かったら、みんなに話したくなるのは、ある意味、自然なことです。

Posted by 小林信也 at 09:39 | Comments (0)
カツラは恥ずかしいか
2004年05月11日
[ 続・カツラーの秘密]

「カツラは恥ずかしい」という先入観があります。これは「ハゲが恥ずかしい」という観念とは、理由も背景も違います。ここ数日、カツラーBBSで会話されていることですが、「ハゲを受け入れたら、ハゲのままで生きられる」現実があります。それと「カツラを割り切って公言すれば、何の精神的ストレスもなくなる」という現実、どっちが容易いでしょう? まあ、比較しても意味はありませんが、カツラでイヤな体験をした人、「カツラは恥ずかしい」という先入観や世間の眼差しを過剰に意識する人にとっては、「カツラを公言すること」など絶対不可能と思われるでしょう。僕個人の体験では、「ハゲのまま生きる」より「カツラで快適に生きる」方が断然いい。今まで、カツラを公言した人の数はハゲのまま生きている人より圧倒的に少ない。けれど、カツラを公言する人が増えてくれば、そして「カツラにも自然で格好いいのがあるんだ」「カツラーでもセンス良くセットすればすごくお洒落にできるんだ」と多くの人がわかってくれば、カツラの社会的地位は必ずあがると思います。

Posted by 小林信也 at 11:11 | Comments (0)
ラジオ番組、開始一ヵ月
2004年05月09日
[ 続・カツラーの秘密]

今日から、このページに一日おきくらいにカツラ関連の話を連載します。僕自身のカツラー・ライフを中心に、体験的なカツラ関連情報を発信します。ご愛読下さい。
まずは、番組のお知らせです。4月から文化放送で『なるほど! カツラーの部屋』が始まりました。毎週土曜、朝9時半ころから約10分間。早朝から放送している『なるほど!ひざぽん』の終盤を飾るコーナーです。寺島・太田両アナウンサーの軽妙な司会で僕があれこれ話します。
リスナーの皆様から寄せられるカツラや薄毛の悩みに答えるQ&Aコーナーがメインです。どうぞ皆さん、僕に訊きたいこと、ラジオで訊きたい話、番組HPからアクセスして、メールでお送り下さい。

Posted by 小林信也 at 15:53 | Comments (0)