カツラーレポート
[続・カツラーの秘密]
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[ 続・カツラーの秘密]
「チャック、開いてますよ」と指摘されたのがショックで、その日からチャックのないズボンしか履かない、と思い詰める人はいるでしょうか。いたら「かなり極端な性格」と思われるでしょう。カツラだって、本当は同じなんじゃないか? でも実際には、「後ろ、撥ねてますよ」と指摘されて、「やっぱりカツラだとわかるんだ。まずい・・・」と落ち込む人がたくさんいるでしょう。カツラーであることが悪いと指摘されたのでなく、カツラの後ろが撥ねてますよと指摘されただけでも受け取る方の解釈はカツラそのものの存在を問うところまで直結してしまう。ズボンのチャックが開いていたのは、チャックのせいでなく、うっかり開けていた自分のせいです。ただ閉めりゃ、済むこと。髪も撥ねてたら直せばいいこと。それだけでしょ? これって無理な主張でしょうか。論理が正しいかどうか別にして、僕自身は、もし髪の乱れを指摘されたら、平然とただ髪が乱れているから直す、という受け止め方をすればいいんだと、ひとつ心が晴れてスッキリした、という報告です。
Posted by 小林信也 at 09:10
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[ 続・カツラーの秘密]
フジテレビのドキュメンタリー番組『NONFIX』の取材を通じて、ひとつの心境の変化があった、と掲示板に書きました。それから少し間が経ってしまいましたが、率直な思いを書きたいと思います。と言っても、それほど大したことではありません。
Posted by 小林信也 at 01:47
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[ 続・カツラーの秘密]
テープ・ベースを独自の素材に替えてからは、額の吹き出物はほとんど治まりました。ところが、課題がひとつ浮上。僕が用意した生地は即乾性の高い素材。汗をかいても着ているうちにすぐ乾く、サッカー日本代表やプロ野球選手達が最近着ているウェアと同じものなのですが、それでも髪を洗えば濡れる、洗ってすぐテープを貼ろうとするとやはりまだ水気があり、テープがつきにくい場合があるのです。少し時間に余裕があれば問題ないのですが、これが解消できないときっと商品として多くの愛用者にお勧めすることができないでしょう。僕のようにナイロンに弱い人間のために、ナイロンでなく、しかも水をはじく新素材のテープベースを開発してもらえたらうれしいなと思っています。
Posted by 小林信也 at 09:23
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[ 続・カツラーの秘密]
ナイロン製のテープベースに代わるものはないか。繊維ではダメなのか、技術者に訊ねると、テープがきちんと貼り付くかどうか、粘着力が問題だという。衣服の素材は案外、テープが効かないと。ふと、ひらめいた。いま僕が愛用している野球用のTシャツ、乾きやすく肌にやさしい新素材。自宅に戻ってテープを貼ってみると、なかなかピッタリくっつく。そこで次の編み込みにはこのTシャツを持参した。そして、裾の方を切ってもらって、テープベースの代わりにくっつけた。なかなか貼り心地は悪くない。それから数日、案の定、吹き出物が治まり始めた。どうやら、僕にはこのナイロン素材が合わないらしい。
Posted by 小林信也 at 10:44
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[ 続・カツラーの秘密]
思い当たったもうひとつの原因は、両面テープを貼るために製品に縫いつけた『テープベース』と呼ばれるナイロン製の布だ。楕円形で、わずかコインふたつ分くらいの大きさ。本当は額の中央に一枚でいいのだけれど、まだクリーナーをうまく使えず、安定しないのが不安だったため、額の中央とその両脇に計3枚縫いつけたもらったことがある。湿疹が出始めたのは、その後からだった。
Posted by 小林信也 at 01:26
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[ 続・カツラーの秘密]
テープを使い始めて少し経ったころ、困った問題が起きました。これは、僕がスヴェンソンを使って6年目に初めて直面した、ちょっとしたトラブルでした。額まで編み込みをしていたときにはまったく発生しなかった湿疹が、両面テープにしたら少し出始めたのです。主に額のところ。原因はまずふたつ考えられました。「両面テープが皮膚に合わない」「クリーナーが皮膚に合わない」。僕としては、元々不安を感じた「クリーナー」が一番有力な湿疹の原因だと察しをつけました。そこで、粘着力が落ちるのを覚悟の上で、クリーナーを使わず数日過ごしました。しかし、湿疹は治まりません。となると、両面テープだろうか。これは貼らないわけにいかない。数日経って、ふと、もうひとつ、「これが原因ではないか」と思える原因に思い当たりました。(続く)
Posted by 小林信也 at 00:18
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[ 続・カツラーの秘密]
額を編まないメリットも確かにあります。髪を洗うとき、手を入れて地肌を直接洗える、製品の上からのブラッシングに満足できなかった人にはこれが最大の利点でしょう。僕の場合は直接洗えないストレスをそれほど感じていませんでしたから、実はそれほど感動はしていません。「あ、指で洗えるね」って程度かなあ。前を上げて、シャワーをパーッと地肌に向かって当てるとき、何となく開放された感じはするから、それはそれでやっぱり快感かもしれません。
Posted by 小林信也 at 10:26
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[ 続・カツラーの秘密]
スポーツライター塾の若者たちに誘われて、真剣にスポーツで汗を流しました。スヴェンソンに替えてから、子どもとプールに行ったり、相撲を取ったり、空手を始めたり。色々スポーツに挑戦しました。が、ここまで必死に走り、汗を流したのは久しぶり。不自由なカツラにしてからは初めてでした。
Posted by 小林信也 at 00:38
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[ 続・カツラーの秘密]
明日テレビの取材を受ける関係で、アデランスを使っていたころの写真を探したり、もうずっと使っていないカツラを引っ張り出したりしました。それをディレクターから求められたからです。カツラって、頭に乗っているのと、単体で見るのとでは情け無さが違います。やっぱり、カツラだけポンと机の上にあったりするとやっぱり滑稽です。そのスタイルが自然かどうか、だけでなく、やはり外れて単体になってしまうカツラと、いつもは頭の上に乗っていて、パカッとは取れないカツラの違いというのは、理屈抜きに安心感、上品さみたいなものが違うと感じました。
Posted by 小林信也 at 00:45
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[ 続・カツラーの秘密]
両国・国技館に大相撲を取材に行きました。三段目にひとり、かなり頭髪の心配なお相撲さんがいました。貴乃花親方よりひとつ年上のベテラン力士。やっとのことで髷を結んでいる。その大きさは板ガムより頼りない感じ。髷が結えないと引退、と聞いたことがあります。彼らにとっては切実です。その後、館内FMを聞いていたら、解説役の年寄の方々が、「かまし禿げ」の話をしていました。立ち合いのぶちかましを得意とする力士は、額の髪がちぎれ、薄くなり、「かまし禿げになる」ということでした。たしかに、そういう力士が幕の内にもいました。彼らのハゲは、名誉の傷、とはいえ、悩みはやはり深刻なようです。
Posted by 小林信也 at 23:56
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[ 続・カツラーの秘密]
女子バレー・アテネ五輪予選を取材に行った。コートサイドの記者席。ときどき、鋭いスパイクがワンバウンドで飛び込んでくる。うっかりメモを取っていたりすると、ハッと顔を上げた瞬間、額をボールが直撃、なんてことも充分にありえる。あの鋭さだから、当たればかなり衝撃があるだろう。でも野球の硬球と違って、まあそれほど大事には至らないかな、などと思うのだが、カツラーはやはり、(もし着脱式のカツラなら、直撃されたらめくれちゃうな、あれだと)と、想像してしまうのだ。きっと、見ている間じゅう、首に力が入って、肩が凝るだろう。
Posted by 小林信也 at 19:24
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[ 続・カツラーの秘密]
ここ数日、色んな取材を経験して、「どうして僕はこんなにもバランス感覚ばっかり取る人間になってしまったのだろう」と痛感した。ずいぶん思い切った発言もしているつもりだけど、本当に極めた人に出会うと、僕はいかにもビクビクして、世間とうまく折り合いをつけようとするのに慣れてしまっていると思い知らされる。真実はひとつ。なのに、奥歯にモノのはさまったような玉虫色のオブラートに包んでしまう。カツラの話だってそうだ。何だか、僕はジャーナリストみたいなものだから、「公平でなければならない」みたいな脅迫感を拭いきれない。ジャーナリストに必要なのは、公平であること以上に、正直であること、理屈より取材で得た事実を伝えること。体験や体感はそれ以上に重い。これからはいっそう、はっきり発言します。
Posted by 小林信也 at 19:13
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[ 続・カツラーの秘密]
カツラは恥ずかしい、と多くの人が思っている理由は、「みっともないから」でしょう。パッと見て、いかにもカツラとわかる、みっともない、そういうカツラを使っている人が多かった。だから、「カツラは一目でわかるよ」「あれはやめてほしい」「みっともないのに、何でかぶるんだ」これらが転じて、「そこまでしてハゲを隠したいのか」「「男らしくない」「バカじゃないの」、カツラは格好悪い上に、使う人の人間性まで疑われるような、ネガティブなイメージが広がったのでしょう。
Posted by 小林信也 at 09:39
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[ 続・カツラーの秘密]
「カツラは恥ずかしい」という先入観があります。これは「ハゲが恥ずかしい」という観念とは、理由も背景も違います。ここ数日、カツラーBBSで会話されていることですが、「ハゲを受け入れたら、ハゲのままで生きられる」現実があります。それと「カツラを割り切って公言すれば、何の精神的ストレスもなくなる」という現実、どっちが容易いでしょう? まあ、比較しても意味はありませんが、カツラでイヤな体験をした人、「カツラは恥ずかしい」という先入観や世間の眼差しを過剰に意識する人にとっては、「カツラを公言すること」など絶対不可能と思われるでしょう。僕個人の体験では、「ハゲのまま生きる」より「カツラで快適に生きる」方が断然いい。今まで、カツラを公言した人の数はハゲのまま生きている人より圧倒的に少ない。けれど、カツラを公言する人が増えてくれば、そして「カツラにも自然で格好いいのがあるんだ」「カツラーでもセンス良くセットすればすごくお洒落にできるんだ」と多くの人がわかってくれば、カツラの社会的地位は必ずあがると思います。
Posted by 小林信也 at 11:11
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[ 続・カツラーの秘密]
今日から、このページに一日おきくらいにカツラ関連の話を連載します。僕自身のカツラー・ライフを中心に、体験的なカツラ関連情報を発信します。ご愛読下さい。
Posted by 小林信也 at 15:53
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